漢方薬

漢方薬
漢方薬は、伝統中国医学の一種である漢方医学の理論に基づいて処方される薬。 一般的に複数の生薬をあらかじめ組み合わせた方剤をさす。甘草湯(かんぞうとう)のように甘草だけの方剤もあるが、まれな例外である。


また、生薬であれば何でも「漢方薬」という人も多いが、これは上記からわかるように全くの間違いである。なお、近代以降に考案された方剤にはアスピリンのような合成薬品を含むものも存在する。


漢方薬は、中国、朝鮮半島、日本で伝統的に使われているが、日本では鎖国によって漢医学が独自の発展を遂げたほか、薬事法の関係から漢方薬の成分分析が進んだため、中国では通常処方されない組み合わせでの処方が行われるようになり、日本式の処方による漢方薬を求めて中国から買い付けにくるという逆転現象すら起きている。

なお、韓国では、漢方ではなく「韓方」、「韓薬」の呼称が一般的であり、中国では「中薬」と呼称されるのが一般的である。


しばしば、漢方薬は自然の材料を用いているので副作用が無く、安全である、と信じられている。これは西洋医学と対比してという意味で、ここ数十年の間に広まったものである。猛毒を含む天然物は無数に存在し、漢方薬でもそのような原料が用いられている(例えば 附子=トリカブト)。また、毒性がないとされるものでも、薬になるものは、使い方次第で「毒」にもなりうることを、肝に銘じておかなければならない。伝統中国医学では、医療過誤のことを誤治という。


ただし、「漢方に副作用がない」というのは本当である。これは薬が天然のものだからという理由でなく、漢方の方法論において副作用という概念がないということである。漢方では副作用が出た場合は誤治、すなわち診断ミスか投薬ミスとみなされる。漢方では、理論上は、副作用があって治癒できるなら副作用なしでも可能であるとされている。このことを理解するには証の概念について詳しく知る必要がある。



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